“森林浴”という言葉が誕生して既に30年以上が経過しました。木々の緑を目にすることや鳥のさえずりを耳にすることなどで、心と体がリフレッシュされることは広く理解されていました。
しかしながら、森が心と体にもたらす効果については、経験的あるいは感覚的に語られていたにすぎず、これまでその効果の科学的な解明はさほど進んでいませんでした。
そこで、森が持つ癒し効果を科学的に解明し、心と体の健康に活かしていこうという取り組みが始まりました。森林セラピーとは、森の癒しの力を人間のこころとからだの健康づくりに活かす、一歩進んだ森林浴です。
日本初の森林セラピー基地認定
平成16年、国の「森林セラピー研究会」により、森林セラピーに適した先導的な地域を認定する取り組みが始まりました。
これを受け、平成17年に山口市(当時の徳地町)では、認定に向けた取り組みとして、森の癒し効果を科学的に検証する実験(生理実験)を日本で初めて実施しました。
この実験により、徳地地域の森は人体にリラックス効果をもたらすことが実証され、さらに森林環境等においても優れた地域であることが認められたことから、平成18年に日本初となる森林セラピー基地に認定されました。
五感で受け止める森の癒し効果
心と体に癒しを与える「森の癒し効果」をより効果的に享受する方法として最も大切なことは「五感を研ぎ澄ませる」ことです。
森の中で、目・耳・鼻・手足を使い、自然の素晴らしさを感じてください。「きれいな景色だ」「鳥が鳴いている」「空気がおいしい」といったことを楽しみながら感じることにより、リラックス効果がより高まると言われています。